「ガクさんがアルバムを完成させたんだからきっとハッピーなお皿に違いない!…それが聴く前の、細かく言えば3曲目を聴くまでの感想だった。
その数分後、僕は涙を流していた。別に涙を誘う悲しみのバラードだった訳じゃない。ガクさんはやっぱりハッピーな雰囲気のその曲の中で、
自分がどうして今ここにいるのか、そしてここにいる確かな意味をサラリとラップに乗せていたのだ。あたかも友達の話をするように楽しく、そして優しく。
しかもこの歌の直接のメッセージはそういう昔話の部分はあんまり関係ないんだよとさえ歌っているように感じる。
過去に大きな功績を残した人はその頂にぶら下がりがちだ。もしくは頂なんかなかったことにしたり、そのあとに訪れただろう大きな穴ボコなんかも隠したりするもんだ。
でもガクさんは違った。そこにそれがあることをただ当たり前に認めて、それでも今いる場所も、僕が生きている今日もこんなに楽しいんだよと笑って韻を踏んでる。
こんなこと、普通出来ないっすよ、ガクさん!
現在を構成(つく)るのはかけがえのない過去と未来への推進力なんだと教えてくれたこの曲、そしてこのアルバムで、僕のクリエイター、
そしてミュージシャンとしての寿命が確実に延びた、そう断言できます。
いやぁガクさん、いいアルバムを本当にありがとうございます!」
(スキマスイッチ・常田真太郎)